7부 美術・衣装・メイク · 第1講 · 読了 6分

美術部の仕事と美術デザイン — 役割、コンセプトとムードボード、台本から美術リストまで

空間と色で物語を語る部署

美術部は、空間と物と色で物語を目に見える形にする部署です。美術監督がコンセプトとカラープランを決め、美術デザイナーが図面を引き、大道具がセットを建て込み、小道具係が登場人物の使う物を、装飾部が空間を埋める飾りを担当します。仕事は台本から始まります。シーンごとに必要な場所・小道具・装飾を美術リストに抜き出し、品目ごとに購入・製作・レンタルのどれにするか、いつまでに用意するかを決めます。このリストが美術予算と準備スケジュールの土台になります。

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講義の目次第7部 第1講 · 32/49
  1. 1부 制作の流れ3講
    1. 1制作の流れ
    2. 2撮影前チェックリスト
    3. 3日々スケジュールの作り方・読み方
  2. 2부 制作実務3講
    1. 1制作予算と精算
    2. 2協賛とプロダクトプレイスメント
    3. 3権利処理(クリアランス)
  3. 3부 制作部の現場運営6講
    1. 1制作部の仕事
    2. 2ロケーションと撮影許可
    3. 3移動・食事・宿泊
    4. 4キャストとエキストラ
    5. 5現場の進行
    6. 6仮払いと領収書
  4. 4부 演出部の実務6講
    1. 1演出部の構成と1日
    2. 2台本分析と演出準備
    3. 3撮影順の組み方
    4. 4リハーサルと段取り
    5. 5現場の掛け声とセットアップ順
    6. 6記録(スクリプター)とつながり
  5. 5부 撮影7講
    1. 1ショットサイズ・アングル・構図
    2. 2露出の決め方
    3. 3レンズの選び方
    4. 4フォーマットとフレームレート
    5. 5カメラを動かす機材
    6. 6撮影部の役割と1日
    7. 7モニタリングとデータ
  6. 6부 照明・特機6講
    1. 1照明の基本
    2. 2光の選び方
    3. 3照明機材
    4. 4スタンドと固定
    5. 5光を整える
    6. 6安全とセッティングの順序
  7. 7부 美術・衣装・メイク5講
    1. 1美術部と美術デザイン
    2. 2セットとロケセットの飾り込み
    3. 3小道具とつながり
    4. 4衣装
    5. 5ヘアメイクと特殊メイクの基本
  8. 8부 同時録音5講
    1. 1マイクの選び方
    2. 2ブーム操作
    3. 3機材セッティング・電源・ワイヤレス
    4. 4ロケーション録音
    5. 5シンク・タイムコード・録音レポート
  9. 9부 ポストプロダクション4講
    1. 1編集ワークフロー
    2. 2カラーグレーディング
    3. 3音の仕上げ
    4. 4納品仕様
  10. 10부 配給・流通3講
    1. 1劇場・配信・放送の配給
    2. 2映画祭への出品準備
    3. 3セールス・権利・宣伝資料
  11. 付録1講
    1. ·韓国の撮影現場の言葉
美術部の作業場のイラスト。ムードボードと色・素材見本が並ぶ壁の前の作業台で、スタッフが生地見本を選び、横にはリビングのセットの縮尺模型がある
AI 生成イラスト

美術部の役割分担

美術部の組織図 — いちばん上の美術監督(プロダクションデザイナー)の下に、セット(図面・木工・塗装)、小道具(持ち道具・飾り道具)、装飾(家具・飾り)、グリーンズ(植物・造園)の4つが実線でつながる。下には隣の部署として衣装とヘアメイクが点線の箱で置かれ、同じカラーパレットで一緒に動くと書かれている美術監督プロダクションデザイナーセット図面・木工・塗装小道具持ち・飾り道具装飾家具・飾りグリーンズ植物・造園隣の部署 — 同じカラーパレットと時代感で動きます衣装ヘアメイク
一般的な美術部の構成 — 実線は部署の内側、点線の箱は色と時代感を合わせて動く隣の部署です。
  1. 1美術監督 — 作品のすべての空間・物・色の方向を決め、チームを率います。
  2. 2セット・小道具・装飾 — 建てるもの、使うもの、空間を埋めるものに分かれます。
  3. 3衣装・ヘアメイク — 別の部署ですが、同じカラープランで動きます。
  • 美術監督 — 台本と監督の意図を、空間の見え方に置き換えます。コンセプトとカラープランを決め、予算の範囲で何を建て、何を借りるかを判断します。
  • 美術デザイナー — セットの図面を引き、模型を作ります。カメラの位置、外せる壁(ワイルド壁)、照明を吊る場所まで先に考えます。
  • 大道具(建て込み) — 大工・塗装・仕上げのスタッフが、図面を実際の空間にします。壁の傷みやしみといった年季も、この段階で塗って表現します。
  • 小道具 — 俳優が手にする物と、画面に映る物を用意して管理します。撮影中は現場で位置とつながりを守ります。
  • 装飾 — 家具・カーテン・額・生活用品で空間を埋め、登場人物が本当に暮らしている場所に見せます(飾り込み)。
  • グリーンズ — 植物・木・芝生を担当します。規模の大きい作品では専門のチームがあり、小さい作品では装飾部が兼ねることが多いです。

チーム構成と肩書きは、作品の規模や国によって変わります。短編や小規模な作品では、美術監督一人が小道具と装飾まで受け持つこともよくあります。大切なのは肩書きではなく、建てる・用意する・飾る・現場で管理するという仕事のそれぞれに、担当者がはっきり決まっていることです。

コンセプト・ムードボード・カラーパレット

美術部の最初の成果物は、絵ではなく方向です。この登場人物はどんな家に住んでいるのか。片付いているのか、散らかっているのか。物語が進むと空間はどう変わるのか。監督・撮影監督と一緒に決めたら、ほかの部署が一目でつかめるコンセプト資料にまとめます。

  • ムードボード — 目指す雰囲気を示す写真や画像を1枚のボードに集めたものです。言葉からそれぞれが別々に思い描いていたものを、一つの共通の絵にします。
  • カラーパレット — 作品全体、または空間ごとに使う色と避ける色をまとめたものです。衣装・メイク・照明と合わせ、俳優が背景に埋もれたり、浮いたりしないようにします。
  • 空間ごとのコンセプト — 主な場所ごとに参考画像、ラフな平面図のスケッチ、主な小道具を集めます。セットを建てるか、ロケセットを飾るかを決める土台になります。

台本分析から美術リストへ

台本から美術リストまでの流れ — ① 台本で物に印をつけ、② シーンの要素として S3 傘・食卓、S7 傘、S12 食卓・額を抜き出し、③ 美術リストで同じ物を1品目にまとめて P-01 傘(S3・S7)、P-02 食卓(S3・S12)、P-03 額(S12)と整理する。下の ④ で品目ごとに調達方法(購入・レンタル・製作)と準備状況(準備完了・準備中・準備前)を決める① 台本② シーンの要素③ 美術リスト映る物に印S3 傘 · 食卓S7 傘S12 食卓 · 額P-01 傘S3·S7P-02 食卓S3·S12P-03 額S12④ 品目ごとの調達方法と準備状況品目調達方法準備状況P-01購入準備完了P-02レンタル準備中P-03製作準備前
台本 → シーンごとの要素 → 美術リスト → 調達と準備状況。いくつものシーンに出てくる物も、リストでは1行にまとめます。
  1. 01台本を読む1回目は物語として読みます。2回目は、シーンごとに場所、映る物、登場人物が触る物に印をつけます。
  2. 02シーンごとに要素を抜き出す各シーンに必要な物を、台本分析表の小道具と装飾の欄に書きます。セリフの中でさらっと触れられるだけの物も見落とさないようにします。
  3. 03美術リストにまとめるシーンをまたぐ同じ物は1品目にまとめ、場所ごとに整理します。品目に番号を振っておくと、現場で呼びやすくなります。
  4. 04調達方法と担当を決める品目ごとに、購入・製作・レンタル・俳優の私物のどれにするか、誰がいつまでに用意するかを書きます。
  5. 05準備状況を追う品目ごとに準備前 → 準備中 → 準備完了と更新し、撮影スケジュールと照らし合わせます。早く撮るシーンの品目から仕上げます。

判断ひとつで予算とスケジュールが動く

美術の判断が予算とスケジュールに与える影響
判断予算スケジュール
セットを建てる材料費・人件費・スタジオ代がかさむ建て込みの期間が要るが、撮影は自由が利く
ロケセットを飾る建てるより安く済むことが多い場所の使用時間と原状回復の時間に縛られる
小道具を製作するレンタルより高くつくこともある製作期間をスケジュールに入れる
小道具を借りる借りる期間が長いほど費用が増える返却日と破損時の責任を管理する

コメント

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