7부 美術・衣装・メイク · 第5講 · 読了 7分

ヘアメイクと特殊メイクの基本 — カメラ向けのメイク、つながり、特殊造形と傷、衛生、メイクのコールタイム

画面の顔を守り、物語とともに変える

カメラ向けのメイクは、照明とレンズの前で肌がてかったりむらに見えたりしないようにし、登場人物の性格や状況を顔に表します。ヘアメイク部は、汗・傷・疲れなど台本の中で変わっていく顔の状態をすべて抜き出し、劇中日の順に変化表を作り、シーンの終わりにはつながり写真を撮ります。特殊メイクは、シリコンなどで作った特殊造形で傷や老け、別の顔を作るもので、つけるのも外すのも時間がかかります。道具と肌の衛生を守り、最初のカットから逆算して俳優のコールタイムを日々スケジュールに入れます。

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講義の目次第7部 第5講 · 36/49
  1. 1부 制作の流れ3講
    1. 1制作の流れ
    2. 2撮影前チェックリスト
    3. 3日々スケジュールの作り方・読み方
  2. 2부 制作実務3講
    1. 1制作予算と精算
    2. 2協賛とプロダクトプレイスメント
    3. 3権利処理(クリアランス)
  3. 3부 制作部の現場運営6講
    1. 1制作部の仕事
    2. 2ロケーションと撮影許可
    3. 3移動・食事・宿泊
    4. 4キャストとエキストラ
    5. 5現場の進行
    6. 6仮払いと領収書
  4. 4부 演出部の実務6講
    1. 1演出部の構成と1日
    2. 2台本分析と演出準備
    3. 3撮影順の組み方
    4. 4リハーサルと段取り
    5. 5現場の掛け声とセットアップ順
    6. 6記録(スクリプター)とつながり
  5. 5부 撮影7講
    1. 1ショットサイズ・アングル・構図
    2. 2露出の決め方
    3. 3レンズの選び方
    4. 4フォーマットとフレームレート
    5. 5カメラを動かす機材
    6. 6撮影部の役割と1日
    7. 7モニタリングとデータ
  6. 6부 照明・特機6講
    1. 1照明の基本
    2. 2光の選び方
    3. 3照明機材
    4. 4スタンドと固定
    5. 5光を整える
    6. 6安全とセッティングの順序
  7. 7부 美術・衣装・メイク5講
    1. 1美術部と美術デザイン
    2. 2セットとロケセットの飾り込み
    3. 3小道具とつながり
    4. 4衣装
    5. 5ヘアメイクと特殊メイクの基本
  8. 8부 同時録音5講
    1. 1マイクの選び方
    2. 2ブーム操作
    3. 3機材セッティング・電源・ワイヤレス
    4. 4ロケーション録音
    5. 5シンク・タイムコード・録音レポート
  9. 9부 ポストプロダクション4講
    1. 1編集ワークフロー
    2. 2カラーグレーディング
    3. 3音の仕上げ
    4. 4納品仕様
  10. 10부 配給・流通3講
    1. 1劇場・配信・放送の配給
    2. 2映画祭への出品準備
    3. 3セールス・権利・宣伝資料
  11. 付録1講
    1. ·韓国の撮影現場の言葉
メイク室のイラスト。電球が並ぶ鏡の前で、メイクスタッフがケープを着けた俳優にブラシでメイクをしている
AI 生成イラスト

カメラ向けメイクの基本

  • てかりを抑える — 照明の下では、額や鼻の皮脂が光って目立ちます。テイクの合間にパウダーやあぶらとり紙で押さえます。
  • 肌を整える — 高解像度のカメラは、肌のきめや赤みまで拾います。一度に厚く塗るより、薄く重ねるほうが自然に見えます。
  • 登場人物を表す — 疲れた人物なら目の下を暗く、健康な人物なら血色を足すなど、性格や状況を顔に表します。
  • 照明に合わせる — 同じメイクでも、光の色と向きで見え方が変わります。撮影初日の前にカメラテストをすると安心です。
  • ヘア — 髪型は、つながりがいちばん崩れやすい所です。前髪の向き、ポニーテールの高さ、後れ毛まで写真に撮ります。

つながり — 汗と傷は物語に沿って

撮影順と物語の順は違うので、けがをする前のシーンを、けがの後のシーンより後で撮ることもあります。だからヘアメイク部は、傷・あざ・汗・涙・ひげを劇中日の順に追う変化表を作ります。あざは日を追って色が変わり、切り傷は治っていくので、段階ごとの見た目を決めて写真に撮っておきます。

  • シーン終わりの写真 — 正面・横・後ろと傷のアップを撮り、使った製品と色をメモします。
  • 汗と涙 — 同じシーンの中では、テイクごとに量をそろえます。カットごとに増えたり減ったりすると、つながりが崩れます。
  • ひげと髪の長さ — 撮影中に本当に伸びるので、劇中の時間に合わせて切るか、付けるかの計画が要ります。

特殊メイクが扱うもの

特殊メイクの主な種類
種類内容計画しておくこと
特殊造形シリコンなどの素材で作ったパーツを肌に貼り、顔や体の形を変える型取りと製作の期間、つける時間と外す時間
傷と血切り傷・あざ・やけど・流血を作る段階ごとの見た目、血のついた衣装のダブルと合わせて
老けメイクしわ・しみ・白髪で年を重ねた姿を作る長いメイク時間、寄りのショットで確認

特殊造形は俳優の顔の型を取って前もって作るので、プリプロダクションの段階でスケジュールに入れます。つけるのに時間がかかり、撮影後に外して肌を落ち着かせるのにも時間がかかるので、チーフ助監督と相談して同じメイクが要るシーンを同じ日にまとめます。肌につける素材は、先に狭い範囲でパッチテストをして、反応が出ないことを確かめます。

衛生

  • 道具 — ブラシやパフは俳優ごとに分けるか、使うたびに洗います。使い捨ての物を多めに用意します。
  • 製品 — 口紅やクリームを容器から直接塗らず、使う分だけ取り分けます。
  • 肌 — 俳優にアレルギーや敏感な部分を前もって聞き、肌が赤くなったりかゆくなったりしたらすぐにやめます。
  • 手 — メイクの前後に手を洗うか消毒します。

撮影中、ヘアメイク部はモニターの近くで髪と顔を見ていて、テイクの合間に入って汗を押さえたり髪を整えたりします(本番前の直し)。衛生のルールはここでも同じです。

メイクのコールタイムと日々スケジュール

メイクのコールタイムを逆算する図 — 右端の縦線が最初のカットの準備が整う時刻。俳優Aはその時刻から衣装、ヘアメイクの時間を逆に引いてコール時刻が決まり、特殊メイクのある俳優Bはその前に長い特殊メイクの時間が加わって、コール時刻がずっと左(早い時刻)に来る。バーの長さは例で、実際の時間はヘアメイク部が伝える初カット準備俳優A — 基本のメイクヘアメイク衣装コール俳優B — 特殊メイクあり特殊メイクヘアメイク衣装コール最初のカットの準備時刻から逆算 — 左ほど早い時刻バーの長さは例です。実際の時間はヘアメイク部が俳優ごとに伝えます。
最初のカットから逆算した俳優の集合時間 — 特殊メイクのある俳優は、同じカットでもずっと早く呼ばれます。
  1. 1逆算 — 最初のカットの準備が整うべき時刻から、衣装、ヘアメイク、特殊メイクの時間を順に引きます。
  2. 2メイクの順番 — 俳優の数がメイクスタッフより多いと、俳優はそれぞれ自分の番を待ちます。

ヘアメイク部は、俳優ごとのヘアメイクにかかる時間をチーフ助監督に伝えます。チーフ助監督は、最初のカットに出る俳優の準備が整うべき時刻から逆算して俳優ごとのコールタイムを決め、メイクスタッフが同時に何人を担当できるかも考えます。昼のシーンから夜のシーンへ、けがの前から後へと進む日は、途中でメイクを変える時間も組み込みます。

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