2부 制作実務 · 第3講 · 読了 5分

権利処理(クリアランス) — 音楽・美術品・ロゴ・人物・場所を撮影前に

他人のものが映るとき、誰に何の許諾を取るか

他人が作ったもの、他人の顔、他人の所有物が映像や音に入るときは、原則として権利者の許諾を確認する必要があります。この作業を権利処理(クリアランス)と呼びます。音楽には楽曲そのもの(作詞・作曲)と録音という別々の権利があり、両方が必要です。画面に映る美術品、写真、映像、ロゴも確認が必要です。出演者や、誰だかわかる形で撮影した人からは書面の同意を、私有地は所有者や管理者の許可を、公共の場所は所管する機関の許可を取ります。許諾は媒体・地域・期間・用途を明記して書面に残し、取れなければ差し替える、ぼかす、カットするのいずれかで対応します。

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講義の目次第2部 第3講 · 6/49
  1. 1부 制作の流れ3講
    1. 1制作の流れ
    2. 2撮影前チェックリスト
    3. 3日々スケジュールの作り方・読み方
  2. 2부 制作実務3講
    1. 1制作予算と精算
    2. 2協賛とプロダクトプレイスメント
    3. 3権利処理(クリアランス)
  3. 3부 制作部の現場運営6講
    1. 1制作部の仕事
    2. 2ロケーションと撮影許可
    3. 3移動・食事・宿泊
    4. 4キャストとエキストラ
    5. 5現場の進行
    6. 6仮払いと領収書
  4. 4부 演出部の実務6講
    1. 1演出部の構成と1日
    2. 2台本分析と演出準備
    3. 3撮影順の組み方
    4. 4リハーサルと段取り
    5. 5現場の掛け声とセットアップ順
    6. 6記録(スクリプター)とつながり
  5. 5부 撮影7講
    1. 1ショットサイズ・アングル・構図
    2. 2露出の決め方
    3. 3レンズの選び方
    4. 4フォーマットとフレームレート
    5. 5カメラを動かす機材
    6. 6撮影部の役割と1日
    7. 7モニタリングとデータ
  6. 6부 照明・特機6講
    1. 1照明の基本
    2. 2光の選び方
    3. 3照明機材
    4. 4スタンドと固定
    5. 5光を整える
    6. 6安全とセッティングの順序
  7. 7부 美術・衣装・メイク5講
    1. 1美術部と美術デザイン
    2. 2セットとロケセットの飾り込み
    3. 3小道具とつながり
    4. 4衣装
    5. 5ヘアメイクと特殊メイクの基本
  8. 8부 同時録音5講
    1. 1マイクの選び方
    2. 2ブーム操作
    3. 3機材セッティング・電源・ワイヤレス
    4. 4ロケーション録音
    5. 5シンク・タイムコード・録音レポート
  9. 9부 ポストプロダクション4講
    1. 1編集ワークフロー
    2. 2カラーグレーディング
    3. 3音の仕上げ
    4. 4納品仕様
  10. 10부 配給・流通3講
    1. 1劇場・配信・放送の配給
    2. 2映画祭への出品準備
    3. 3セールス・権利・宣伝資料
  11. 付録1講
    1. ·韓国の撮影現場の言葉
街頭ロケで、スタッフが店主に書類を見せて撮影の許可を求めているイラスト
AI 生成イラスト

権利処理が必要なもの

権利処理が必要になる主なもの
対象例許諾を取る相手
原作・脚本小説、漫画、実話をもとにした物語著者や出版社、脚本家
音楽劇中歌、劇伴、ロケ先で流れている曲楽曲の権利者と録音の権利者
画面に映る著作物絵画、写真、ポスター、ほかの映像、本の表紙それぞれの著作物の権利者
商標・ロゴ看板、商品パッケージ、服のロゴ商標の権利者(映り方による)
人物出演者、誰だかわかる通行人本人(未成年は親権者・保護者)
場所店舗、住宅、オフィス、公園、道路所有者や管理者、所管する機関

こうした対象は、台本分析の段階で拾い出しておくと楽になります。「テレビでニュースが流れている」「彼女が歌を口ずさむ」といったト書き一行も、権利処理の対象です。美術部の飾り込みには、オリジナルか権利処理済みの絵や写真を使います。権利処理には時間がかかるので、撮影の前週ではなく、プリプロダクションの早い段階から始めましょう。

音楽には二つの側面がある

既存の曲を使うには、楽曲そのものの権利と、録音の権利の両方を処理する必要があります。楽曲の権利は作詞家・作曲家、音楽出版社、著作権管理団体が管理していることが多く、録音の権利はたいていレコード会社と実演家にあります。自分たちのミュージシャンで曲を録音し直せば新しい録音の権利は自分たちのものになりますが、楽曲の使用許諾は引き続き必要です。

作曲家にオリジナルの音楽を依頼する場合は、権利が誰に帰属し、どう使えるかを契約書に明記します。音楽ライセンスサービスを使う場合は利用規約を読みましょう。映画、放送、広告など、用途や媒体によって認められる範囲が異なります。ロケ先で流れている音楽は一度録音に入ると取り除くのが難しいので、撮影中は止めてもらうよう頼みます。

人と場所

出演者については、出演契約や出演同意書に映像の使い道を明記します。誰だかわかる形で撮影した通行人やエキストラからは同意書をもらうか、顔が映らない構図にするか、ポストでぼかします。未成年者には親権者・保護者の同意が必要です。

私有地では、撮影の日時、使う範囲、原状回復の条件を所有者や管理者と書面で取り決めます。公園、道路、公共施設などの公共の場所では所管する機関の許可が必要な場合があり、地域のフィルムコミッションが手続きを案内したり手伝ったりしてくれることも多くあります。看板や店名を画面に映してよいかも、あわせて確認しましょう。

台本の中の名前や番号も確認が必要です。実在の会社、学校、団体、実在の人物を否定的に描くと名誉毀損を問われるおそれがあるため、架空の名前を使うのが一般的です。画面に映る電話番号、ナンバープレート、住所、メッセージアプリのIDが実際に使われているものでないかを確かめ、美術部に架空の情報で埋めてもらいます。

権利処理の流れ

権利処理の流れ。映像や音に他人の著作物、人物、場所、商標が入るかを確かめ、入らなければそのまま撮影する。入る場合は権利者を探し、媒体・地域・期間・用途の範囲を決めたうえで、書面の許諾をもらったかを確かめる。もらっていれば記録を残し、もらえなければ差し替える、隠す、カットするのいずれかで対応し、その結果も記録に残す映像·音に他人のものが入る?著作物 · 音楽 · 人物 · 場所 · 商標いいえそのまま撮影はい権利者を探す · 範囲を決める媒体 · 地域 · 期間 · 用途書面の許諾をもらった?いいえ差し替え·隠すまたはカットはい記録を残す権利者 · 範囲 · 書類の場所
他人のものが映るときは、許諾を取るか、差し替えるか、隠すか、カットする。どの結果も記録に残します。
  1. 01対象を書き出す台本分析表と美術・小道具のリストから、音楽、画面に映る著作物、ロゴ、人物、場所を拾い出します。
  2. 02権利者を探す誰が権利を持っているかを確認します。一つの対象に複数の権利者がいることもあります。
  3. 03範囲を決めるどの媒体(劇場、放送、オンライン)で、どの地域で、どれくらいの期間、どの用途(本編、予告編、宣伝)に使うかを決めます。
  4. 04書面でもらう許諾は書面でもらいます。範囲を明記した文書は、一行だけのメールの返信より、後々ずっと力を持ちます。
  5. 05処理できないものは差し替える許諾が取りにくい、または費用がかかりすぎる場合は、ほかのものに差し替えるか、隠すか、場面からカットします。
  6. 06権利処理表を残すすべての対象について、権利者、範囲、書類の保管場所を一つの表にまとめます。配給会社や放送局は、納品時に権利関係の書類を求めることがよくあります。

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