8부 同時録音 · 第1講 · 読了 6分

映像制作のマイクの選び方 — ガンマイク、ハイパーカーディオイド、ピンマイク、ワイヤレス、指向特性と風対策

指向特性で選び、ブームとピンマイクを併用します

同時録音のマイクは、音を拾う方向、つまり指向特性で選びます。セリフはふつう、ブームにつけた指向性マイクから始めます。屋外や広い空間では指向性の鋭いガンマイク、響きの多い室内ではハイパーカーディオイドです。ピンマイク(ラベリアマイク)は俳優の衣装の中、口の近くに隠す小さなマイクで、ワイヤレス送信機と組み合わせると、引きの画やブームが届かない場面をカバーできます。ブームとピンマイクはどちらか一方に置き換えるのではなく、ふつうは両方を録って仕上げで選べるようにします。屋外では風切り音を防ぐため、カゴ型の風防とウインドジャマー(毛足の長いカバー)を必ず用意します。

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講義の目次第8部 第1講 · 37/49
  1. 1부 制作の流れ3講
    1. 1制作の流れ
    2. 2撮影前チェックリスト
    3. 3日々スケジュールの作り方・読み方
  2. 2부 制作実務3講
    1. 1制作予算と精算
    2. 2協賛とプロダクトプレイスメント
    3. 3権利処理(クリアランス)
  3. 3부 制作部の現場運営6講
    1. 1制作部の仕事
    2. 2ロケーションと撮影許可
    3. 3移動・食事・宿泊
    4. 4キャストとエキストラ
    5. 5現場の進行
    6. 6仮払いと領収書
  4. 4부 演出部の実務6講
    1. 1演出部の構成と1日
    2. 2台本分析と演出準備
    3. 3撮影順の組み方
    4. 4リハーサルと段取り
    5. 5現場の掛け声とセットアップ順
    6. 6記録(スクリプター)とつながり
  5. 5부 撮影7講
    1. 1ショットサイズ・アングル・構図
    2. 2露出の決め方
    3. 3レンズの選び方
    4. 4フォーマットとフレームレート
    5. 5カメラを動かす機材
    6. 6撮影部の役割と1日
    7. 7モニタリングとデータ
  6. 6부 照明・特機6講
    1. 1照明の基本
    2. 2光の選び方
    3. 3照明機材
    4. 4スタンドと固定
    5. 5光を整える
    6. 6安全とセッティングの順序
  7. 7부 美術・衣装・メイク5講
    1. 1美術部と美術デザイン
    2. 2セットとロケセットの飾り込み
    3. 3小道具とつながり
    4. 4衣装
    5. 5ヘアメイクと特殊メイクの基本
  8. 8부 同時録音5講
    1. 1マイクの選び方
    2. 2ブーム操作
    3. 3機材セッティング・電源・ワイヤレス
    4. 4ロケーション録音
    5. 5シンク・タイムコード・録音レポート
  9. 9부 ポストプロダクション4講
    1. 1編集ワークフロー
    2. 2カラーグレーディング
    3. 3音の仕上げ
    4. 4納品仕様
  10. 10부 配給・流通3講
    1. 1劇場・配信・放送の配給
    2. 2映画祭への出品準備
    3. 3セールス・権利・宣伝資料
  11. 付録1講
    1. ·韓国の撮影現場の言葉
録音機材のイラスト。ウインドジャマーをかぶせたブームマイク、小さなピンマイク、ワイヤレス送信機、ヘッドホン
AI 生成イラスト

指向特性 — マイクはどの音を聞くか

4種類のマイク指向特性を上から見た極座標図 — 上がマイクの前。無指向は円、カーディオイドは後ろ(180度)が最も鈍いハート形、ハイパーカーディオイドは前がより狭く約110度の方向が最も鈍く後ろに小さな尾がある、ガンマイク(ショットガン)は前が最も狭く後ろにも小さな尾がある(高音域を基準にした概念図)前無指向(オムニ)すべての方向を均等に前カーディオイド後ろ(180°)が最も鈍い前ハイパーカーディオイド約110°が最も鈍く、後ろに小さな尾前ガンマイク(概念図)高音域で前が最も狭い
マイクの感度を上から見た図です。上がマイクの前です。線が外側にあるほど、その方向の音をよく拾います。
  1. 1無指向(オムニ) — すべての方向から均等に拾います。ピンマイクに多いタイプです。
  2. 2カーディオイド — 前と横を拾い、真後ろが最も鈍くなります。
  3. 3ハイパーカーディオイド — カーディオイドより前が狭く、後ろに小さな感度の尾があります。
  4. 4ガンマイク(ショットガン) — 前が最も狭いタイプです。狭さは周波数によって変わるため、この図は概念図です。

指向特性は、マイクが各方向の音をどれだけよく拾うかを示したものです。セリフ録りでは、俳優の口元はよく聞こえ、カメラや照明のノイズや壁から跳ね返る音はあまり聞こえないマイクが望ましいので、ブームには指向性マイクをつけます。指向性マイクは正面から外れるほど音が小さくなり、音色も変わるため、マイクの正面を口に向け続けるのが基本です。

ガンマイクとハイパーカーディオイド

よく使う2種類のブームマイクの比較
項目ガンマイクハイパーカーディオイド
前方の拾い方最も狭いガンマイクより広い
向いている場面屋外、広い室内、距離をとらなければならないとき天井の低い室内や響きの多い室内
弱点狭い部屋では反射音が入り込み、音色がこもりやすい屋外では遠くのノイズを抑える力がガンマイクより弱い
長さ長いので狭い場所では扱いにくい短いので天井の低い場所でも扱いやすい

同時録音用のマイクの多くはコンデンサーマイクなので、レコーダーやミキサーからのファンタム電源(48V)がないと動きません。音が出ないときは、ケーブルを疑う前にファンタム電源の設定を確認します。1本しか持てないなら屋外と室内のどちらが多いかで決め、両方あるならロケーションに合わせて使い分けます。

ピンマイクとワイヤレス

  • ピンマイク — 指先ほどの大きさのマイクで、衣装の下、胸の中央あたりに隠します。口との距離が一定に保たれるので、引きの画や歩きながらのセリフに強いのが特長です。
  • 衣ずれ — 最もよくある問題です。生地が動かないようにマイクの周りをテープで固定し、どの衣装のどこにつけるかを衣装部と事前に決めておきます。
  • 送信機 — ピンマイクの信号を電波で送る小さなパックです。腰の後ろや太ももなど、画面に映らず動きを妨げない場所につけます。
  • 受信機 — 電波を受けてレコーダーに入力します。対になる送信機と同じチャンネル(周波数)に合わせる必要があります。
  • 周波数 — 使えるワイヤレスの帯域は国ごとに定められているので、撮影地の監督官庁で確認します。日本でも帯域によって免許などの扱いが異なります。現場のほかのワイヤレス機器とぶつからないチャンネルを事前に選んでおきます。
  • 電池 — 送信機は小さく、電池の減りが早い機器です。交換した時刻を記録し、食事休憩などのタイミングで早めに替えます。

シーン別の選び方

シーン別に最初に選ぶマイク
シーン最初に選ぶものあわせて用意
室内のセリフ、天井が低いブーム+ハイパーカーディオイド予備のピンマイク、スポンジの風防
屋外のセリフブーム+ガンマイクカゴ型の風防、ウインドジャマー
引きの画、遠くを歩くピンマイク+ワイヤレスできるだけ近づけたブーム
車内ピンマイクと、車内に隠す小型マイクエンジン音や風切り音を抑える工夫
インタビューピンマイクとブームを併用マイクが映ってもよいか事前に決める

機材を選ぶときは、一番良いマイク1本よりも、ブームが失敗してもほかのマイクがセリフを拾っている構成を考えます。セリフさえ生きていれば、ほかの問題は仕上げで直せることも多いのですが、セリフがだめになるとアフレコ(ADR)で録り直すことになり、時間も費用もかかります。

風対策 — スポンジ、カゴ型風防、ウインドジャマー

  • スポンジの風防 — マイクにかぶせるスポンジです。室内の弱い空気の流れや、ブームを動かしたときの風切り音を抑えます。
  • カゴ型の風防 — 中空の筒の中にマイクを吊るし、風が直接当たらないようにします。屋外では標準の装備です。
  • ウインドジャマー — カゴ型の風防にかぶせる毛足の長いカバーです。風の強い日、カゴだけでは防げないノイズを抑えます。
  • ピンマイク用 — 小さな毛のカバーやスポンジを使います。衣装の下に隠すと、衣装そのものが風よけになることもあります。

風切り音は大きく低い「ボコボコ」という音で、仕上げできれいに消すのは困難です。レコーダーのローカットも役に立ちますが、風対策の代わりにはなりません。屋外に出る前に、風防を替えながらヘッドホンで聞き比べて、効果のあるものを選びます。

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