5부 撮影 · 第2講 · 読了 6分

露出の決め方 — 絞り(FストップとTストップ)・シャッター角度・ISO/EI・NDフィルター

絞り・シャッター・ISO・NDで光の量を合わせる

露出とは、センサーに届いて記録される光の量のことで、絞り・シャッター・感度(ISO/EI)・NDフィルターの4つで調整します。4つとも「段(ストップ)」という同じ単位に換算でき、1段は光が2倍または半分になることを意味します。F値が大きいほど画は暗くなり、被写界深度は深くなります。シネレンズには実際に通る光を測った Tストップが刻まれているので、レンズを替えても露出が変わりません。映像ではシャッターがフレームレートと結びついていて、自然なモーションブラーになる180度シャッター(24fpsで1/48秒)が一般的な基準です。感度は明るさとノイズ・ダイナミックレンジを引き換えにするもので、明るい日中に絞りを開けたいときは NDフィルターで光を減らします。

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講義の目次第5部 第2講 · 20/49
  1. 1부 制作の流れ3講
    1. 1制作の流れ
    2. 2撮影前チェックリスト
    3. 3日々スケジュールの作り方・読み方
  2. 2부 制作実務3講
    1. 1制作予算と精算
    2. 2協賛とプロダクトプレイスメント
    3. 3権利処理(クリアランス)
  3. 3부 制作部の現場運営6講
    1. 1制作部の仕事
    2. 2ロケーションと撮影許可
    3. 3移動・食事・宿泊
    4. 4キャストとエキストラ
    5. 5現場の進行
    6. 6仮払いと領収書
  4. 4부 演出部の実務6講
    1. 1演出部の構成と1日
    2. 2台本分析と演出準備
    3. 3撮影順の組み方
    4. 4リハーサルと段取り
    5. 5現場の掛け声とセットアップ順
    6. 6記録(スクリプター)とつながり
  5. 5부 撮影7講
    1. 1ショットサイズ・アングル・構図
    2. 2露出の決め方
    3. 3レンズの選び方
    4. 4フォーマットとフレームレート
    5. 5カメラを動かす機材
    6. 6撮影部の役割と1日
    7. 7モニタリングとデータ
  6. 6부 照明・特機6講
    1. 1照明の基本
    2. 2光の選び方
    3. 3照明機材
    4. 4スタンドと固定
    5. 5光を整える
    6. 6安全とセッティングの順序
  7. 7부 美術・衣装・メイク5講
    1. 1美術部と美術デザイン
    2. 2セットとロケセットの飾り込み
    3. 3小道具とつながり
    4. 4衣装
    5. 5ヘアメイクと特殊メイクの基本
  8. 8부 同時録音5講
    1. 1マイクの選び方
    2. 2ブーム操作
    3. 3機材セッティング・電源・ワイヤレス
    4. 4ロケーション録音
    5. 5シンク・タイムコード・録音レポート
  9. 9부 ポストプロダクション4講
    1. 1編集ワークフロー
    2. 2カラーグレーディング
    3. 3音の仕上げ
    4. 4納品仕様
  10. 10부 配給・流通3講
    1. 1劇場・配信・放送の配給
    2. 2映画祭への出品準備
    3. 3セールス・権利・宣伝資料
  11. 付録1講
    1. ·韓国の撮影現場の言葉
窓からの光が差すスタジオで、三脚のカメラのレンズリングを回すスタッフのイラスト
AI 生成イラスト

段(ストップ) — 露出の単位

露出を変える方法は、すべて段(ストップ)で数えられます。1段明るくすると光は2倍、1段暗くすると半分になるので、ある設定を1段上げて別の設定を1段下げれば、明るさは変わりません。ただし、それぞれの設定が画に残す影響は違います。

1段明るくする方法と、一緒に変わること
設定1段明るく(例)一緒に変わること
絞りF5.6 → F4被写界深度が浅くなる
シャッター1/100秒 → 1/50秒動きがよりぶれる(映像ではフレームレートが上限)
感度ISO 400 → 800ノイズと明部・暗部の余裕が変わる
NDフィルターND 0.6 → ND 0.3画はそのままで、光の量だけが変わる

絞り — FストップとTストップ

F値は、レンズの焦点距離を光が入る開口部の直径で割った値です。数字が大きいほど開口部は小さく、画は暗くなります。標準の目盛り F1.4・2・2.8・4・5.6・8・11・16 は1目盛りが1段です。直径を約1.4倍(√2)小さくすると、面積が半分になるからです。

F値は計算で出す値なので、レンズのガラスやコーティングで失われる光は考慮されていません。Tストップはレンズを実際に通った光を測って決めた値なので、同じ Tストップならどのレンズでも同じ露出になります。そのためシネレンズは Tストップで表記され、同じレンズなら T値は F値より少し大きくなります。被写界深度は光の量ではなく開口部の大きさで決まるので、被写界深度を考えるときは F値で考えます。

シャッター — シャッター角度と180度の基準

シャッター角度は、フィルムカメラの回転シャッターに由来します。円盤が1コマごとに1回転し、円盤の開いた部分から光が入ります。そのため露光時間は、開いた角度 ÷ 360 × 1 ÷ フレームレート になります。

24fpsでの回転シャッターの円盤3つ — 180度開くと露光時間は1/48秒、90度は1/96秒、360度(全開)は1/24秒露光時間 = 開いた角度 ÷ 360 × 1/24秒180°1/48秒90°1/96秒360°1/24秒開閉
24fpsでのシャッター角度ごとの露光時間 — 色のついた部分が開いた角度です。
  1. 1180° — 1/48秒。目が見慣れたモーションブラーとされ、一般的な基準になっています。
  2. 290° — 1/96秒。動きがくっきりとコマ送りのように見え、アクションや緊張感のある場面に使います。
  3. 3360° — 1/24秒。1コマの間ずっと開いているので、動きが流れて見えます(デジタルカメラのみ)。

シャッター速度で表示するカメラでは、180度はおおよそ「1 ÷ フレームレートの2倍」です(24fpsと25fpsでは1/50秒がよく使われます)。商用電源で点く照明は、電源周波数の2倍でちらつくことがあります。60Hzの地域では1秒に120回、50Hzの地域では100回です。露光時間がちらつき1周期(1/120秒または1/100秒)の整数倍なら、どのコマにも同じ明るさが記録されます。そのため60Hzの電源で24fpsなら1/60秒(144度)がフリッカーを起こしにくく、50Hzの電源では1/50秒が同じ働きをします。

ISOとEI — 感度は引き換え

シネマカメラでは、感度を EI(エクスポージャーインデックス)とも呼びます。多くのカメラでは、EI を変えてもセンサーに届く光が増えるわけではなく、同じ信号をどれだけ明るく表示するかが変わります。そのため感度は、明部と暗部の余裕をどう配分するかの設定だと考えるとわかりやすくなります。

  • ネイティブISO — センサーの設計上、ノイズとダイナミックレンジのバランスがもっともよい基準感度です。ここから始めます。
  • EIを上げる — 同じ場面に与える露出が少なくなるので、明部の余裕が増え、暗部のノイズが増えます。
  • EIを下げる — 露出を多く与えるので、暗部はきれいになり、明部は早く白飛びします。
  • デュアルネイティブISO — 基準感度を2つ持つカメラがあり、高いほうの感度でもノイズが増えにくくなります。値は機種によって違うので、マニュアルを確認してください。

NDフィルター — 明るい日中に絞りを開ける

日中の屋外では光が多すぎて、浅い被写界深度や180度シャッターを保てません。そんなときに、色は変えずに光の量だけを減らす NDフィルターを、レンズの前やカメラの内部に入れます。

NDの表記と減らす光の量
濃度倍数減光量
ND 0.3ND21段(1/2)
ND 0.6ND42段(1/4)
ND 0.9ND83段(1/8)
ND 1.2ND164段(1/16)
  • 濃いND — 非常に濃いフィルターや何枚も重ねたフィルターでは、黒い服が赤みや茶色を帯びることがあります。赤外線もカットするNDを使うか、事前にテストしてください。
  • バリアブルND — 2枚の偏光フィルターを回して濃度を連続的に変えます。便利ですが、濃くした側では X字状のムラや色の偏りが出やすく、広角レンズでは暗さが不均一になることがあります。

露出を決める順番

  • フレームレートとシャッター — 作品のフレームレートを決め、シャッター角度を固定します。
  • 絞り — 欲しい被写界深度で選びます。ショットの印象をもっとも大きく変える要素です。
  • 感度 — カメラの基準ISOから始め、必要なときだけ動かします。
  • 光が多すぎる・足りない — 光が余るなら NDで減らし、足りなければ照明を足します。

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