
砂袋 — どこに置くか
スタンドは荷物のある方向に倒れます。そのためアームを伸ばすときは、いちばん高い脚がアームの真下に来るようにスタンドを回し、その脚に砂袋を載せます。砂袋は脚にまたがせて両側に垂らし、重さを低い位置に保ちます。
- 1いちばん高い脚 — アームが伸びる方向の下に来るようにスタンドを回します。
- 2砂袋 — その脚に低くまたがせます。
- 3荷物 — その重さが脚の支える範囲の中に落ちるようにします。
- 高いほど重く — ライザーが高く、アームが長いほど砂袋を増やします。
- 風 — 屋外ではフレームやソフトボックスが帆のように風を受けます。砂袋を増やし、ロープで地面に固定します。
- 目立たせる — 人が通る所では脚の先に目立つテープを巻きます。
荷重と重心
- 耐荷重 — スタンド、クランプ、オートポールにはそれぞれ重さの上限があります。ラベルや説明書を確認し、十分に下回るようにします。
- 重心 — できるだけ荷物をスタンドの中心の上に置き、片側に寄るときはその側の脚に重しを足します。
- 締め具合の確認 — すべてのノブを締めたら、軽く揺すって確かめます。グリップヘッドは重さで締まる向きにします。
- オートポール — 圧力だけで支えるので、重いライトは避け、弱い天井には当て物を使います。
- 頭上のもの — 天井やトラスに吊るすライトやアクセサリーには、落下を防ぐ別の安全ワイヤーを付けます。
電源とケーブル
電力(W)は電圧(V)×電流(A)です。商用電源の電圧は国によって違うので、撮影する場所の値で計算します(日本は100V)。たとえば100Vで20Aの回路なら、計算上は2,000Wです。実際には同じ回路をほかの機器も使っていて、長時間負荷をかけるとブレーカーが熱を持つので、余裕を十分に残し、大きなライトを1つの回路に集めないようにします。電気に関する規則は国によって違うので、現地の規定を確認しましょう。
- 回路を把握する — まず、どのコンセントが同じブレーカーにつながっているかを確認します。別の部屋のコンセントが同じ回路のこともあります。
- 負荷を分ける — 大きなライトは別々の回路につなぎ、電源タップのたこ足配線はしません。
- 発電機(電源車) — 大きな現場や電源のない屋外で使います。騒音があるのでセットから離し、排気が室内に入らないようにします。操作は経験のある電気担当に任せます。
- ケーブル — 通路を避けて壁沿いに這わせ、横切る所はマットで覆うかテープで固定します。大きな負荷のかかるケーブルはほどいて使い、巻いたまま使いません。
- 水と雨 — 接続部を濡れた床に置かず、屋外では漏電遮断器を通してつなぎます。
高所作業とリギング
- 脚立 — 平らな場所で完全に開き、下で誰かが支えます。
- 高所での作業 — ヘルメットと墜落防止用の器具を着け、下の区域に人が入らないようにします。
- リギング — 天井や構造物に何かを吊るす前に荷重に耐えられるかを確認し、経験のあるスタッフが作業します。
- 手を空ける — 機材を手に持って登らず、ロープで上げるか手渡ししてもらいます。
セッティング → リハーサル → 本番 → 撤収
- 01計画を共有する撮影監督と照明技師が光の向きとライトの位置を決め、必要な機材と電源の取り方をチームに伝えます。
- 02電源とケーブルを先にライトを立てる前に分電の場所を決めてケーブルを這わせます。通路の確保とテープでの固定もこの段階で済ませます。
- 03キーから始めるキーを決めてから、フィルとバック、背景の順に置き、すべてのスタンドに砂袋を載せます。
- 04整えるフラッグ、ネット、ディフューザーで余分な光を切り、明るさのバランスを取ります。露出計とモニターで確認します。
- 05リハーサル俳優の動き(ブロッキング)に沿って、影、映り込み、ブームマイクの影を確認して直します。
- 06本番テイクの合間に、ライトがずれていないか、熱いライトの周りが安全かを確認します。
- 07撤収ライトを消して冷ましてから片付けます。先に電源を落としてからケーブルを巻き、レンタルリストと機材を照合します。
照明部と特機部
| 役割 | 仕事 |
|---|---|
| 照明技師(ガファー) | 撮影監督と照明を設計し、照明部を率いる |
| 照明助手(チーフ) | 照明技師を補佐し、機材・人員・電源の分配を担う |
| 特機(グリップ)チーフ | 特機部を率い、スタンド、フレーム、リギング、カメラ支持機材を扱う |
| 特機助手 | 特機チーフを補佐し、機材と人員を担う |
| ドリーグリップ | ドリーやレールなどカメラの移動機材を組んで押す |
多くの作品では、照明部が電源とライトを、特機部がスタンド、フレーム、リギングを担当し、分担がかなりはっきりしています。国によって違う場合もあり、たとえば韓国の現場では、光を整える特機の作業も照明部が担うことが多く、特機部は主にドリーやクレーンなどカメラの支持と移動を担当します。作品によっても違うので、最初の打ち合わせで誰が何をするかを決めておきましょう。
撮影前の安全チェック
- すべてのスタンドに砂袋、いちばん高い脚がアームの下
- グリップヘッドとクランプの締め付け、頭上の機材の安全ワイヤー
- 回路ごとの消費電力の合計と余裕
- 通路のケーブルにマットまたはテープ
- 熱いライトと布・紙・ゲルとの距離
- 非常口、消火器、救急箱の位置
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