5부 撮影 · 第1講 · 読了 5分

ショットサイズ・カメラアングル・構図の基本 — ECUから2.39:1まで

ショットサイズ、6つのアングル、構図の決まりと画面比

ショットサイズは、人物を画面にどれだけ大きく収めるかで分けます。いちばん寄った ECU(目や口など顔の一部)から、CU(顔)、BS(胸から上)、WS(腰から上)、KS(膝から上)、FS(全身)、人物が小さくなる LS まで続きます。カメラアングルはカメラの高さと傾きのことで、目の高さ(アイレベル)が中立、上から見下ろすと人物は小さく弱く見え、下から見上げると大きく強く見えます。構図は三分割法・ヘッドルーム・ルックルームで人物を配置し、会話シーンでは180度ルールを守って視線の向きが入れ替わらないようにします。画面比はテレビやネット動画の16:9、劇場のワイド1.85:1と2.39:1、縦型ショート動画の9:16がよく使われます。

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講義の目次第5部 第1講 · 19/49
  1. 1부 制作の流れ3講
    1. 1制作の流れ
    2. 2撮影前チェックリスト
    3. 3日々スケジュールの作り方・読み方
  2. 2부 制作実務3講
    1. 1制作予算と精算
    2. 2協賛とプロダクトプレイスメント
    3. 3権利処理(クリアランス)
  3. 3부 制作部の現場運営6講
    1. 1制作部の仕事
    2. 2ロケーションと撮影許可
    3. 3移動・食事・宿泊
    4. 4キャストとエキストラ
    5. 5現場の進行
    6. 6仮払いと領収書
  4. 4부 演出部の実務6講
    1. 1演出部の構成と1日
    2. 2台本分析と演出準備
    3. 3撮影順の組み方
    4. 4リハーサルと段取り
    5. 5現場の掛け声とセットアップ順
    6. 6記録(スクリプター)とつながり
  5. 5부 撮影7講
    1. 1ショットサイズ・アングル・構図
    2. 2露出の決め方
    3. 3レンズの選び方
    4. 4フォーマットとフレームレート
    5. 5カメラを動かす機材
    6. 6撮影部の役割と1日
    7. 7モニタリングとデータ
  6. 6부 照明・特機6講
    1. 1照明の基本
    2. 2光の選び方
    3. 3照明機材
    4. 4スタンドと固定
    5. 5光を整える
    6. 6安全とセッティングの順序
  7. 7부 美術・衣装・メイク5講
    1. 1美術部と美術デザイン
    2. 2セットとロケセットの飾り込み
    3. 3小道具とつながり
    4. 4衣装
    5. 5ヘアメイクと特殊メイクの基本
  8. 8부 同時録音5講
    1. 1マイクの選び方
    2. 2ブーム操作
    3. 3機材セッティング・電源・ワイヤレス
    4. 4ロケーション録音
    5. 5シンク・タイムコード・録音レポート
  9. 9부 ポストプロダクション4講
    1. 1編集ワークフロー
    2. 2カラーグレーディング
    3. 3音の仕上げ
    4. 4納品仕様
  10. 10부 配給・流通3講
    1. 1劇場・配信・放送の配給
    2. 2映画祭への出品準備
    3. 3セールス・権利・宣伝資料
  11. 付録1講
    1. ·韓国の撮影現場の言葉
三脚に載せたカメラの横でモニターを見て構図を確かめる撮影監督のイラスト
AI 生成イラスト

ショットサイズ — どこまで寄るか

人のシルエットにショットサイズごとの画面の下端線を引いた図 — ECU は目のあたり、CU は顔、TBS は肩の下、BS は胸、MS は腰のあたり、WS は腰、KS は膝の上、FS は全身。LS と ELS は人物が画面の中で小さくなる引きのショットECU目・口など一部CU顔TBS肩・胸の上部BS胸から上MS腰のあたりから上WS腰から上KS膝から上FS頭からつま先LS · ELS — 人物が小さくなる引きのショット(背景が主役)
人物を基準にしたショットサイズ — 線より上が画面に入る範囲です。
ショットサイズごとに映る範囲と使いどころ
略称名前映る範囲主な使いどころ
ECUエクストリーム・クローズアップ目・口・手など一部感情の頂点、重要なディテール
CUクローズアップ顔全体感情、リアクション、重みのある台詞
TBSタイトバストショット肩と胸の上のほうBSより感情に寄り添う単独ショット
BSバストショット胸から上会話の基本となる単独ショット
MSミディアムショットおおよそ腰から上(現場によって範囲が違います)表情と手振りを一緒に
WSウエストショット腰から上インタビュー、身振りのある会話
KSニーショット膝から上立ち話、2〜3人の会話
FSフルショット頭からつま先まで動き、衣装全体、登場
LSロングショット広い背景の中の小さな人物空間と人物の関係
ELSエクストリーム・ロングショット風景の中のごく小さな人物場所の紹介(エスタブリッシングショット)

1つのシーンは、まず引きのマスターショットで頭から終わりまで撮り、そのあと同じ芝居をより寄ったサイズで撮り直して、編集の素材(カバレッジ)を集めるのが一般的です。人物を画面の端で切るときは、首・腰・膝・足首のような関節ちょうどで切らないようにします。関節で切れると、体が不自然に切り取られたように見えます。

カメラアングル — どこから見るか

座っている俳優を高い位置と低い位置からそれぞれ撮る2台のカメラのイラスト
同じ人物でも、カメラの高さによって印象が変わりますAI 生成イラスト
横から見たカメラアングル — 頭の真上からのバーズアイ、上から見下ろすハイアングル、目の高さのアイレベル、下から見上げるローアングル、床から見上げるワームズアイ、そしてカメラを横に傾けたダッチアングルバーズアイハイアングルアイレベルローアングルワームズアイダッチアングル画面を傾ける
カメラの高さと向きによるアングル。
  • 俯瞰(バーズアイビュー) — 真上から垂直に見下ろします。空間の配置や動線を地図のように見せます。
  • ハイアングル — 目の高さより上から見下ろします。人物が小さく弱く、あるいは孤立して見えます。
  • アイレベル — 人物の目の高さから水平に見ます。もっとも中立で自然な視点です。
  • ローアングル — 目の高さより下から見上げます。人物が大きく強く、あるいは威圧的に見えます。
  • ダッチアングル(斜め構図) — カメラを横に傾けて水平線を斜めにします。不安、混乱、緊張を表します。
  • ワームズアイビュー — 床近くからほぼ真上を見上げます。ローアングルを極端にしたものです。

支えを使わず、カメラを手で持ったり肩に載せたりして撮ることを手持ち(ハンドヘルド、H/H)といいます。揺れがそのまま映って臨場感や切迫感が出ますが、長く続くと観客が疲れることがあります。動きがありながらも滑らかに見せたいときは、ステディカムやジンバルを使います。

構図の基本

  • 三分割法 — 画面を縦横それぞれ3つに分けます。目や主な被写体をその線や交点に置くと、安定しながらも単調にならない構図になります。
  • ヘッドルーム — 頭の上の余白です。多すぎると人物が沈んで見え、少なすぎると窮屈に見えます。寄ったショットほど余白は少なくします。
  • ルックルーム(リードルーム) — 人物が見ている方向や進む方向の前にとる余白です。視線の先に余白があると自然に見えます。
  • オーバーショルダー(OTS) — 一方の肩越しにもう一方の人物を撮ります。2人の関係と距離感が伝わるので、会話シーンの基本になります。

180度ルールと30度ルール

上から見た180度ルール — 人物 A と B を結ぶ軸の下側の半円の中にだけカメラが3台あり、軸を越えた上側のカメラは避けるべき位置として X 印が付いている想定線(軸)ABカメラはこちら側の半円に軸を越えるとAとBの左右が入れ替わります
2人を結ぶ想像上の線(イマジナリーライン)の片側にカメラを置けば、画面上の向きが保たれます。

会話する2人を結ぶ想像上の線を、イマジナリーライン(軸、アクションライン)といいます。カメラがこの線の片側の半円の中にある限り、A は常に左から右へ、B は右から左へ視線を向けます。カメラが線を越えると2人の位置と視線が入れ替わり、観客には登場人物が急に入れ替わったように感じられます。どうしても線を越えたいときは、カメラが線をまたいで動く様子を見せるか、線の上から撮った正面のショットを間に挟みます。

同じ被写体をほとんど同じ位置から撮った2つのショットをつなぐと、ぎこちないジャンプカットに見えます。続くショットの間では、カメラの角度を30度以上変えるか、ショットサイズをはっきり変えます。これを30度ルールといいます。

画面比(アスペクト比)の比較

同じ高さにそろえた画面比の比較 — 9:16 縦型、4:3 スタンダード、16:9 HDワイド、1.85:1 ビスタ、2.39:1 シネマスコープ9:16縦型4:3スタンダード16:9HDワイド1.85:1ビスタ2.39:1シネマスコープ
同じ高さにそろえた画面比 — 右へ行くほど横長になります。
よく使う画面比
画面比別名主な用途
4:3(1.33:1)スタンダード昔のテレビ、一部のアート系映画やMV
16:9(1.78:1)HDワイドテレビ、YouTube、ほとんどのネット動画
1.85:1ビスタ(劇場ワイド)劇場映画
2.39:1スコープ(シネマスコープ)広い風景やジャンル映画、アナモフィックレンズ
9:16縦型ショート動画(ショート、リール)、モバイル広告

画面比は構図に直接影響します。2.39:1 では2人を横に並べやすく余白も大きくなり、9:16 では人物を縦に大きく収められますが、隣の人物はすぐ画面から外れてしまいます。撮影前にモニターに画面比のガイドを表示しておきましょう。

絵コンテのショットを決める手順

  1. 01シーンをビートに分ける感情や情報が変わるところでシーンを区切ります。ビートの変わり目はカットを割るのに向いた場所です。
  2. 02マスターショットを決めるまず、シーン全体の動き(ブロッキング)が見える引きのショットを決めます。空間と立ち位置の基準になります。
  3. 03イマジナリーラインを決める平面図に登場人物を結ぶ線を引き、カメラをどちら側に置くかを決めます。
  4. 04サイズとアングルを選ぶビートごとに、感情の距離に合わせてショットサイズを、人物どうしの力関係に合わせてアングルを選びます。
  5. 05表記をそろえるすべてのショットで、シーン番号とカット番号、サイズの略称、アングル、カメラの動きを同じ書き方で記します(例:S#12-3 BS ロー H/H)。
  6. 06撮影順にまとめる同じ方向を向いたセットアップはまとめて撮り、照明の組み直しやカメラの移動を減らします。

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